核磁気共鳴装置
概 要
arx-nmr 物質を磁場の中に置き,ラジオ波領域の電磁波を照射すると,特定の波長が吸収されるが,その様子を詳細に解析し,物質の構造に関する情報を得る。炭素や水素の化学的環境や位置関係のみならず,分子の動的な情報も得られるため,広く分子レベルでの研究において必須の機器となっている。2種類のプローブがあり,他核,温度変化など多様な測定ができる。装置は,液体窒素と液体ヘリウムに囲まれた超伝導磁石と電磁波を発生させるプローブ,および,測定を制御し,データを処理するコンピュータ部分とからなる。構造を知りたい物質数ミリグラムを数ミリリットルの重水素化溶媒に溶かし,NMRサンプルチューブに入れて測定する。
性能 特徴
ARX-NMR 核磁気共鳴装置(ブルカー)
 ブルカー製 ARX-NMR
  基準磁場 9.4テスラ  
  基準周波数 1H 400MHz 
        13C 100MHz
  有機化合物の構造解析 一次元、二次元、
  多核NMRが可能
利用申し合わせ
【ブルカー400MHzNMR利用申し合わせ】

【責任者の選出と任期】
生物化学科の利用グループの教官が交代で管理責任者となる。任期は2年とする。再任は妨げない。

【維持甘理】
液体窒素の充填等,装置の維持管理に必要な作業は生物化学科の利用グループが分担して行なう.ヘリウム充墳はプルカー社の技術者に依頼する。

【予約方法】
 l)全時間予約制とし,以下のような制限を設ける.
 9:00〜2l:00
2時間以内の予約:一人一件のみ,測定予定時間から1週間以内に行なう。
2時間を超える予約:一人一件のみ,測定予定時間から1週間以上前に行なう.ただし,同じ研究室の異なる測定者が連続して予約することにより,同一研究室が装置を長時間独占することは避ける.また,長時間測定はできるだけ深夜や休祝日を利用する.
 21:00〜9:00およぴ休祝日
一人一件のみ終夜あるいは終日測定の予約はl研究室あたり週2回以内とする。ただし,21時以降他の研究室の予約が入っていない場合に限り予約なしで測定できる。複数の測定希望者がある時は当革者あるいは教官の話し合いで決める。2l時以降に予約をしたものは続けて終夜測定をすることは出来ない。
 2)予約時間の閉始時刻からl5分過ぎても測定されていない場合,予約はキヤンセルされたものとする。
 3)不必要に長い時間を予約しない.
 4)キヤンセルは迅速に行なう
 5)予約時間をキヤンセルしないまま測定しない者,頻繁に予約・キヤンセルを繰り返す者には罰i則を与える.

【利用資格】
 l)教官本人,およぴ教官が責任をもって推薦する学生。
 2)学生は測定ライセンスを取得すれば,単独で測定することができる。測定ライセンスは以下の順序で与えられる.
 3)利用資格のある学生に対し,年2回程皮,基礎講習を行なう。利用状況によっては講習受講者の人数を制限することがある。
 4)講習を受けた者は指導教官の監視下で個別に測定トレーニングを行なう。ただし,指導教官は測定実績のあるライセンス既得者に監視を委託することができる。
 5)学生の希望に応じて,適宜ライセンス拭験を行なう。l5分以内に支障なく1H‐NMRを測定できれぱ合格とし,測定ライセンスを与える.

【外部依頼】
外部からの依頼は利用グループを通しておこなう.

【データ取り扱い】
2次元NMRなど,容二の大きいデータは磁気テープに保存する.ハードディスク上の測定データは通知することなく管理者が適宜消去する。

【使用料金】
別途定める

【消耗品】
消耗品が少なくなったら管理者が購入するので,早めに報告する。

【機器室の清掃】
生物化学科の利用グループが交代で週1回液体窒素充填時におこなう。

【使用記録の記帳】
 l)測定終了後,測定記録ノートに測定時間(0.5時間単位),検体数,使用した用紙数等を正碓に記入する。
 2)各研究室で1カ月毎に使用時間,チャート使用枚数を集計する。0時〜8時の連続運転は2時間と
換算して計算する。

【申し合わせに違反した場合】
一定期間利用禁止とする。

【トラブル,事故が発生した場合】
 1)トラブルが起こったら技官や教官と相談して対処する
 2)クエンチングを起こしたら,窒素が充満し,窒息する恐れがあるので,とりあえず部屋の外へ出る。

【その他間題が生じたとき】
管理責任者に報告して対処する。必要であれぱ管理責任者は利用者会議を開いて解決にあたる。

【その他必要なこと】
(プローブの交換)QNPプロニブとBBIプローブを1週間毎に交換する。交換は生物化学科の利用グループの経験者が複数で,窒素充填時に行う。
(機器室)
 1)心臓ぺ一スメーカーを使用している人の入室を禁止する
 2)挨を持ち込んではならない.機器室用のスリッパにはきかえて入室する。
 3)測定前に,磁気カード、時計,財布,鍵等はポケットから出しておく。
 4)磁性体でできているものを3m以内に持ち込まない.磁場の状態が変化する.また,小さなものでも吸い込まれると取り出し不可能になる.特にクライオスタットの上下は吸い込まれやすい。
 5)クライオスタットにはサンプルの出し入れ,窒素の充填時など必要な時以外には近寄らない。ライセンスを所持しない学生を同伴する時には特に注意する。

(鍵)
機器室の鍵は以下の研究室が管理する。
生物化学科 大平,児玉,直島,野崎
化学科 大木,柴原
応用化学科 野上
基礎理学科 浜田
分析センター 赤司