電子スピン共鳴装置
概 要
 磁場中に置かれた不対電子が、ゼーマンエネルギー分裂に相当するエネルギーのマイクロ波を吸収する(電子スピン共鳴)ことを利用して、物質中の不対電子を測定する装置である。不対電子のまわりに存在する、磁気モーメントをもつ原子核による超微細構造などを手がかりにして、ラジカルの種類を特定し、その量を測定できる。また、同様に結晶中の常磁性格子欠陥の構造を決めたり、それらが放射線によって生成することを利用して、試料の過去の被曝線量を計測して事故被曝線量を求めたり、自然放射線による被曝線量から地質学的、人類学的試料の年代を求めたりできる。

 粉末試料の場合、標準の石英試料管に入れて測定するが、ゴニオメータ(一軸)による単結晶の測定、特殊セルを用いることによって水溶液の測定も可能である。

性能 特徴
ESR 電子スピン共鳴装置
  パルス電子スピン共鳴測定装置(日本電子) JES-PX2300
  Xバンド連続波測定による検出感度 7×109 spin/G  
  Xバンドマイクロ波出力 0.0001-200 mW
  最大磁場 1.3T  磁場設定分解能 2nT
  オートチューニング  標準試料同時測定可
  パルスESR測定における設定パルス数 16  
  パルスESR測定におけるパルス幅設定分解能 1ns
  Qバンド測定  測定温度範囲 4.2K-200℃
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