 |
磁場中に置かれた不対電子が、ゼーマンエネルギー分裂に相当するエネルギーのマイクロ波を吸収する(電子スピン共鳴)ことを利用して、物質中の不対電子を測定する装置である。不対電子のまわりに存在する、磁気モーメントをもつ原子核による超微細構造などを手がかりにして、ラジカルの種類を特定し、その量を測定できる。また、同様に結晶中の常磁性格子欠陥の構造を決めたり、それらが放射線によって生成することを利用して、試料の過去の被曝線量を計測して事故被曝線量を求めたり、自然放射線による被曝線量から地質学的、人類学的試料の年代を求めたりできる。
粉末試料の場合、標準の石英試料管に入れて測定するが、ゴニオメータ(一軸)による単結晶の測定、特殊セルを用いることによって水溶液の測定も可能である。
|