高分解能質量分析装置
概 要
hr-mas
 高分解能質量分析装置は,有機化合物の質量数を測定する分析装置である。イオン源でイオン化した試料を,磁場を利用してイオンの電荷に対する質量比(m/e)に応じて分離することにより,試料の質量数を直接求めることができる。この値から,分子量,元素組成など有機化合物の基本的な物性データを算出することができる。また,同時に観測されるフラグメントイオンの質量数から,分子の部分構造を明らかにすることもできる。質量分析装置は極微量(p molオーダー)のサンプルで質量数が測定できることから,微量に存在する環境汚染物質や生体内の代謝物などの同定にも利用されている。本装置では,EI, CI, FAB法などのイオン化法が適用できるため,幅広い有機化合物の分子量測定に利用できる。
性能 特徴

HR-MAS 高分解能質量分析装置
 日本電子製 JMS-700 MStation
  分解能 60,000 
  感度  S/N 400以上 (EIモード:メチルステアレート200pg) 
  質量範囲 2,400ダルトン以上(加速電圧10KV)、 24,000(加速電圧1kV) 
  イオン化法 EI.CI.FAB法
  サンプル導入法 ガスクロマトグラフ,
  直接導入,LCmass,TLC

利用申し合わせ

【高分解能質量分析装置(MStation)利用申し合せ】

(1)利用者グループと管理運営
使用者により利用グループを組織し、本機器の有効な利用を促進するとともに、間題等が起こればこれの解決に当たる。グループの中から實任者を一名選出し、この實任者が本グループの運営を総括すると共に、総合機器センターの大型機器ユーザー實任者会議に出席する。また、實任者は総合機器センター職員と協力して機器を管理する。實任者の任期は2年とし再任を認める。定例の利用者会議は、實任者が毎年l2月に招集し、精算等を行う。

(2)維持
総合機器センターの職員が利用者と綿密な連携をとりながら、これに当たる。維持経費(保守料を含む)は、センターと利用グループがこれを分担する。グループ以外の依頼測定に関する費用分担については別途定める。

(3)利用
利用にあたっては次の規定を設ける。
 予約;1日単位で予約する。3日以上の連続した予約は出来るだけ控える。予約は学内LANを用いたオンライン予約とする。
 測定;講習を受け登録された者が目的に従って測定を行う。測定後は必ず時間、測定回数、測定内容等を記録簿に記録する。原則としてデーターはMO(5.5インチ)に保存する。本体のハードディスク中のデータは不定期に消去されることがある。
 故障;間題や故障については、直ちにセンター職員(船本)、あるいは管理者(上西)まで報告する。
 清掃;掃除を各グループに割り当てるので割当てられたグループはセンターの掃除機で2週間に一度清掃を行う。

(4)測定者
新規測定者は毎年4月および9月に仮登録し、熟練した測定者のつき添いのもとに一定期間の練習回数を積む。この後、管理者とセンター職員が測定者として認めるか否かを判定し、測定者と認められる者には登録を許可する。

(5)依頼測定
利用者グループ以外の測定はセンター職員が行う。これに関しては学外・学内の利用料金を別途定める。利用希望者はセンター職員を通じて管理者に申し込む。

(6)その他
登録された以外の者は機器の測定を行うことが出来ない。ペナルティーについては、利用者会譲で話し合う。

(7)この利用規定は、平成8年12月1日より実施する。