4件の応募があり応募者との面談を行った結果、下記1件の採択が決定いたしました。応募していただいた方々に心よりお礼を申し上げます。

【研究テーマ】
理大構内の植物における倍数性の評価

【申込者】  

理学部生物化学科3年 竹内 直樹さん 伊藤 祐介さん 徳岡 直登さん

【協力・指導者】
猪口 雅彦 先生(生物化学科:試料保存・作成)
山崎 勤 先生(臨床生命学科:試料作成・装置測定)
総合機器センタースタッフ

【応募理由】
私の友人が12号館前のサクラの木から葉の大きさが明らかに違う葉を採取してきました。これを植物学の先生に尋ねたところ、倍数化(例:染色体が2nから4nになる現象など)が起きたのではないかと説明されました。
そこで私は、このサクラにおいて本当に倍数化が起きているのかどうか研究し、確かめたくなり応募させていただきました。また、倍数化が確認できたとするならば、12号館前の植物の生育状況や他の場所にもこのような植物があるかどうかの有無など、さらに研究を進めたいとも考えています。そして、大きなことにはなりますが、倍数化のメカニズムを解明し、農作物への応用・食糧問題とも関わっていけたらと思っています。

【使用装置】
 facscalibur(フローサイトメトリー:20号館2階 総合機器センター機器室④)



【実施状況】
【2014年11月27日 センター事務室でテーマの打ち合わせ】              

左 竹内君  右 伊藤君 (徳岡君は他用事で欠席)

今後は、協力して下さる先生と相談の上、一歩一歩、テーマを進めていきます。
また、アクションがあり次第、報告いたします。



【2014年12月2日 センター事務室で最終スケジュールの打ち合わせ】

左 徳岡君  中 伊藤君  右 竹内君

ようやく、3人揃って打ち合わせです。平日の授業の合間をぬったスケジュールです。
ここからは、私も未知の領域です。試薬調整から一歩ずつ着実にやっていきましょう。
 p(^^)q



【2014年12月3日 山崎勤先生の研究室で試薬調整】

左 山崎勤先生(若い~!)  中 伊藤君  右 竹内君


今日は、これから使用する試薬の調整です。モルなどの分子量計算から始まりました。(゚゚;)
いままでに化学で習ったこと。。 発揮できるかな~。 何事も最初は、紙上の計算から。。
先生がやさしくて、よかったね。v(^O^)



【2014年12月9日 猪口研究室でさくらの葉からサンプリング】

左から 猪口先生 富岡君 伊藤君 竹内君  


さくらの葉をカミソリでみじん切りにした後、特殊な液体(試薬)に浸け、溶けだしたDNAを
取り出し、遠心分離器にかけます。マイクロピペットや濾過用メッシュなどを使用。。。小学校
の理科の実験を思い出しました。あの「わくわく感」。。

細かい作業です。さあ~、一回目のトライ。。 うまくDNAを読み取れるかな? フローサイ
トメトリーによるDNA測定は、後日。。 待ち遠しい。。 v(^O^)

猪口先生、親切なご指導、ありがとうございました。測定がうまくいかなかったときはまた、
伺います。m(__)m



【2014年12月10日 総合機器センター ネイティブ生体分析室】

左から 猪口先生  伊藤君  竹内君  山崎先生


昨日作成したさくらの葉の小さいものと大きいものの試料をフローサイトメトリー
で測定。。モニター画面中央の青いピークが小さい葉、右に少しシフトしている
黄色の点線ピークが大きい葉を示しています。。確かにDNAの倍数化が起こっている?
再確認のため双方を混合した試料を作成し、再測定へ。。 p(^^)q



【2014年12月16日 猪口研究室】

左から 猪口先生 伊藤君 富岡君 竹内君


今日は朝9時きっかりから、山崎研で試薬を受け取り早々に猪口研でリベンジの試料作成
作業。前回間違えた試薬の濃度計算・希釈、さくらの葉をカミソリで細かく裁断。試薬に
浸けてDNAの採取。遠心分離器。。。。 前回同様、忍耐のいる地道な作業。。(^O^;)
時折、ドジョウやプラナリア?などの飼育の話もおりまぜながら作業します。。。
予想通りの結果がでればいいね! フローサイトメトリーによる測定は明日の予定。



【2014年12月18日 総合機器センター ネイティブ生体分析室】

左から 山崎先生 竹内君


今日は朝一からおととい作成したさくらの小さい葉、大きい葉、混合とたばこの葉の試料
のデータをフローサイトメトリーで測定です。青線と緑線で横軸のずれがあればDNAの倍数
化が推測できるのですが。。。。(゚゚;) ズレ、ありません。ん~。倍数化が起きていない。
小さい葉と大きい葉の違いはどこから??? 次回は、初心に戻り光学顕微鏡でのDNA観察
から始めます。今日も山崎先生、猪口先生ありがとうございました。感謝いたします。
     (追伸:伊藤君と富岡君は授業で、参加できませんでした。)



【2014年12月25日 猪口研究室】


フローサイトメトリーでなかなかうまくいかないので、今日は原点に立ち返りDNAを染色さ
せた後、偏光光学顕微鏡でちゃんとDNAが採取されているかチェックです。サンプル作成は
相変わらず地味で粘り強く。。。 クリスマスプレゼントとなるか?! お楽しみ。。。。



偏光光学顕微鏡の結果。出ました。左上、ピンクのテトラポットの中に黄色い円。。これが
DNAとのことです。ピンクテトラボットは葉緑素とのこと。今回はDNAがきれいに分離されな
かったため、フローサイトメトリーでもブロードなピークが現れたようです。残念。。もう
少しDNA採取に改良が必要!! 

残念ながら今回の自由研究テーマの実験は1月からの定期試験準備のため終了となりました。
後は、来年の彼らまたは彼らの後輩に期待しましょう。

竹内君、伊藤君、富岡君。一ヶ月間、よく頑張りました。ご苦労さまでした。今回の経験を
いかして、四年生になってもゼミに就活に頑張って下さい。

最後に、ご指導して下さった猪口先生、山崎先生、本当にありがとうございました。m(__)m

竹内さんから今回のテーマ実施をまとめた報告書の提出がありました。素晴らしい出来です。
        報告書<=ダウンロード