あなたの研究を心よりサポートする共同利用施設

●基礎医学分野　疾患原因を探索するためには，培養細胞等を用いて疾患原因と細胞応答を経時的に観察する必要がある。その際，標識したタンパク質の発現等をステージトップインキュベーターとタイムラプス機能を有するCLSMによって詳細に解析することで時間的かつ空間的に病態を理解することが可能になる。さらに疾患モデル動物から採取した組織における遺伝子・タンパク質等の発現と病態について、深い組織まで低倍率で蛍光観察が可能。

●生命科学分野　遺伝子発現，タンパク質の分解調節，シグナル伝達経路やホルモン受容体の解析など，生命活動を分子レベルで解析して細胞機能を解明するには，タンパク質の細胞内でのふるまいを研究することが，生命の最小単位である細胞を理解する基礎となっている。CLSMは細胞内タンパク質の機能や性質を研究するための強力な研究装置である。遺伝子産物であるタンパク質の合成量，細胞内局在や寿命など，細胞内でのタンパク質のふるまいをリアルタイムで，かつ高感度に解析するためには本装置が必須となる。さらに蛍光タンパク質を利用した組織・個体レベルでのアプローチが一般化し，CLSMは幅広い生物種における分化・成長を制御する因子や機構を研究するために必須な研究装置となっている。また，細胞内での情報伝達の基本となるタンパク質-タンパク質間の相互作用のin vivo解析には，複数波長の蛍光を正確に定量可能なCLSMによるFRET測定が一般化している。

●複合領域分野　ケミカルバイオロジー・生物分子科学の分野では，医薬や農薬，ホルモンなどの生理活性分子の細胞内での輸送，局在や作用部位を解析し，細胞内で活性分子がどのように分布して，作用するのかを知ることは，医薬の効果や作用機序を研究する上で極めて重要なアプローチとなっている。すなわち生理活性分子を蛍光分子でラベル化して，細胞内での挙動や局在を可視化することが，これらの研究の鍵となっている。CLSMは細胞内での蛍光分子を3次元で可視化することが可能であり，このようなアプローチによる生理活性分子のメカニズム研究には欠かせない装置であり，医薬や農薬のリード化合物の開発につながる研究への活用が期待される。